農力検定のミッションと背景

*ミッション
ともすれば土にも触れず全てはお金で解決できると勘違いしている都市生活者に、自然の営みの環から食物を分け頂くことの大切さを「農力」として意味づけ、「検定制度」としてその価値を高めていく事業を新たな教育産業として創設し、食料自給率の向上や地方の雇用創出、ひいては農山村の再生で経済成長に頼らない最小不幸社会の実現を目指します。
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*背景
=農業の現状=
日本の農業は農家の高齢化、次世代の担い手不足、耕作放棄地の拡大、鳥獣被害の増加など危機的状況に瀕しています。そんな中で若者を就農させようという動きも広がっていますが、外国産農産物との価格競争や市場での価格決定権の喪失、猫の目農政の影響などで、とても明るく希望に満ちた産業とはいえません。そもそもグローバル化した市場を相手にして、家族単位で営まれる小規模農業では勝ち目はないので、農業の再生には従来にはない発想の転換が不可欠です。

=失業者の現状=
リーマンショックのダメージも癒え、景気は根強い外需に支えられて持ち直しつつあるといわれますが、業績が良いのは一部の輸出関連企業だけで、日本の労働環境は低迷を続けています。行政は雇用調整助成金での底支えや手厚い職業訓練の実施でこの窮地を乗り切ろうとしているようですが、そもそも需給ギャップが35兆円もある現状では、労働者が職にあぶれるのは自明の理なのです。セーフティ・ネットの充実を訴える活動も盛んで、ホームレスに生活保護を受けさせ、住処を斡旋する動きもありますが、働けるのに働けない若者達をどれだけ税金で保障し続ければいいのか、生理的に納得できない面も残ります。今こそ「授人以魚 不如授人以漁」の考え方を取り入れるべきなのでしょう。

=自給率の現状=
人類の欲望が地球の許容範囲を超えてエネルギーや水、食糧の需給が逼迫したとき、そして外貨を稼がなければ、生存に係わる資源をも調達できない日本の国際競争力が地に落ちたとき、我々にはどんな災難が降り掛かるのでしょうか。単純に考えて石油の需給が逼迫し、価格が高騰して物流コストが合わなくなれば、輸送船も航空便も機能しなくなり、輸入食料の安定供給は厳しくなります。挙句に石油由来の化学肥料も無くなれば、トラクターばかりか軽トラさえも動かないのです。江戸時代の農業に戻りたくとも、田畑を耕す牛馬もいなければ、堆肥を供給する里山も失っています。最悪の事態を避けるためには、何をすべきでしょうか。まずはなにより農山漁村の地域再生と東京一極集中の緩和が、日本が抱える最重点課題に違いありません。

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カテゴリー:99農力検定とは | 投稿者 xbheadjp : 2010年08月04日 17:46